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寺子教訓書
寺子教訓書は寺子屋に入学するときに心掛けるべきこと、注意すべきことを教えたものです。
子供向けとは言え現代の私達にとっては容易に読めるものではありません。
当時の子供たちもはじめは何度も読み聞かされて覚えたのでしょう。
少し長いですが全文を掲げます。
原文
解読文
寺子教訓書
抑、書筆之道者人間達
萬用ヲ之根元也、無筆之
輩者得盲者之名、不異
木石畜類ニ、一生之苦、老
読み方について
抑(そもそ)も、書筆の道は人間萬用を達するの根元なり、無筆の輩は盲者の名を得、木石畜類に異ならず、
一生の苦、
原文
解読文
後之悔、以何可喩之哉、
此故、第一従幼少不限
貴賤、手習事宜哉、於
異国ニ、人生八歳之時、初而
入小学門ニ、本朝凡従九歳
読み方について
老後の悔み、何を以ってこれを喩(諭)すべきや、この故、第一幼少従り貴賤に限らず、
手習事宜(むべ)なるかな、異国に於いては人生八歳の時、初めて小学の門に入る、本朝凡そ九歳従り
原文
解読文
十一歳手跡ノ入学、世之風俗也、
漸童子寺入之後者長敷、
朋友闘争、相撲、腕押、枕引、
一切悪敷遊戯、随分可相
慎也、早天朝起、手水、結
読み方について
十一歳手跡の入学世の風俗なり、漸(ようや)く童子寺入りの後は長(おとな)しく、
朋友闘争、相撲、腕押し、枕引き、一切悪しき遊戯、随分相慎むべきなり、早天朝起き、手水、髪結い、
原文
解読文
髪、赴手習所ニ時者、対父
母為告知、又帰宅之節モ可
為同事、先向机摺墨、静
心ヲ調気、相弟子之交不働
無礼ヲ、慇懃而寺式法之
読み方について
手習所に赴く時は、父母に対し告げ知らせ、又帰宅の節も同事為(た)るべし。先ず机に向かい墨を摺り、
心を静め気を調え、相弟子の交わり無礼を働かず、慇懃にして寺式法の趣に
原文
解読文
趣不相背、稽古有其定之
内ハ堅可相守、人写十字者
学百字ヲ、手本之字形清
書之直シ、能々相考筆仕、不速
不遅廻鍛錬工夫ヲ可習之也、無
読み方について
相背かず、稽古其の定め有るの内は堅く相守るべし、
人十字を写すは百字を学ぶ、手本の字形清書の直し、
能々相考え筆仕り、速からず遅からず鍛錬工夫を廻らし之を習うべきなり、
原文
解読文
情者之為癖、或居眠、啑筆之
管ヲ、高噺大笑、破障子ヲ、穢柱、
崩壁、度々好湯茶ヲ立居、
或不問語リ告言差出候根
問陰言詞咎、其外以謀計
読み方について
無情(不精)者の癖として、或いは居眠り、筆の管を啑(くわ)え、高噺大笑い、
障子を破り、柱を穢し、壁を崩し、度々湯茶を好む立ち居、或いは問わず語り、
告げ言差出候根問、蔭言、詞咎め、其の外謀計虚言を以って
原文
解読文
虚言ヲ、掩我身之悪ヲ、却而改
人之非、欺師之掟、不用兄弟子
差図ヲ、気随我儘而巳移時刻ヲ、
不稽古悪行之所為有ノ心之児童、
省身可恐々々、惣而不依何、売買
読み方について
我が身の悪を掩い、却って人の非(罪)を改め、師の掟を欺き、兄弟子の指図を用いず、
気随我儘のみ時刻を移し不稽古悪行の所為有の心の児童、身を省み恐るべし恐るべし、
惣て何に依らず、売り買い、
原文
解読文
遣貰遠慮尤也、筆墨紙
無放埓、白紙反古等迄剪
割、成費儀不可然、墨不翻、硯
箱文庫之内無散乱奇麗
取置、往来之道筋不走不狂
読み方について
遣り貰い遠慮尤もなり、筆墨紙放埓無く、白紙反古等迄剪割(きりさ)き、費え成る儀然るべからず、
墨翻ず、硯箱文庫の内散乱れ無く奇麗に取り置き、往来の道筋走らず狂わず、
原文
解読文
可為神妙、従若年之依所
行、成長已後之人柄相顕之
間、思此恥ヲ、右所述之善悪、常々
可有分別得心之事肝要也、
於筆学之林、徒ニ送光陰、手
読み方について
神妙為(た)るべし、若年よりの所行に依り、成長己後の人柄相顕れるの間、
此の恥を思い、右述べる所の善悪、常々分別有るべく得心の事肝要なり、
筆学の林に於いては、徒らに光陰を送り、手跡
原文
解読文
跡執行令油断、其上身持不
埒ニ而、受諸人之憎ヲ、汚師之名、
忘親之恩ヲ、不覚悟之輩者
偏々口惜次第也、只一日片時
無怠、懸気根、嗜行儀ヲ、可
読み方について
執行油断せしめ、其の上身持ち不埒にて、諸人の憎みを請け、師の名を汚(けが)し、
親の恩を忘れ、不覚悟の輩は偏々口惜しき次第なり、只一日片時怠り無く、
気根を懸け、行儀を嗜み、
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